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タンパク質立体構造予測:高深度変異誘発法によるタンパク質の構造決定
Nature Genetics 51, 7 doi: 10.1038/s41588-019-0431-x
巨大分子の構造と機能の間には密接な関係があることから、その立体構造の決定は生物学研究の重要な目的となっている。しかしながら、何千ものタンパク質ドメインの構造が依然として未決定のままである。構造決定は通常、X線結晶構造解析、NMR分光法、クライオ(極低温)電子顕微鏡法といった物理学的手法を用いて行われる。ここでは、生体巨大分子の主鎖の立体構造を、変異体分子の活性の指標のみに基づいて高い分解能で決定できる手法を報告する。この遺伝学的アプローチによる構造決定法は、変異間の遺伝学的相互作用(エピスタシス)の定量化と、直接相互作用の間接相互作用からの識別に依存しており、生体内で実際に機能している構造の解明に向けた、実験による構造決定法の1つの選択肢となる。