Article

エンハンサー:転写からエンハンサー単位の構造、機能、論理が明らかになる

Nature Genetics 52, 10 doi: 10.1038/s41588-020-0686-2

遠位エンハンサーは、発生や疾患において極めて重要な役割を担っているが、いまだ最も理解されていない調節配列の1つである。本論文では、超並行レポーターアッセイを用いて、2つの主要なエンハンサーモデルの性能を比較した。そして、ヒストン修飾よりも遺伝子–遠位転写開始部位が、活性なエンハンサーについての高分解能かつロバストな予測因子であることを突き止めた。活性なエンハンサー単位は活性な転写開始部位によって正確に定められることが分かり、これらの境界がエンハンサー機能を捉えるのに十分であることが検証され、さらに、このエンハンサー活性にはコアプロモーター配列が必要であることが確認された。隣接するエンハンサーについてアッセイを行ったところ、それらを合わせた活性が、このエンハンサークラスター内のより強力なエンハンサー単位によって駆動されることが多いと分かった。また、これらの結果は、CRISPR–Cas9による欠失を用いて、遠位エンハンサークラスターの機能を分析することで検証された。まとめると、高分解能のエンハンサー境界を定めることにより、複雑な調節座位をモジュール単位で解析することができた。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度