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がん:増殖中の腫瘍におけるネオアンチゲンの進化動態

Nature Genetics 52, 10 doi: 10.1038/s41588-020-0687-1

がんには、免疫応答を誘発する新規ペプチドであるネオアンチゲンにつながる変異が蓄積し、その結果、がんは進化的選択を受ける。本論文では、ネオアンチゲン進化の数学的モデルを構築することで、増殖中のがんにおいて負の選択がネオアンチゲンのクローン性を形作る仕組みを確立した。このモデルから、免疫回避なしでは、腫瘍ネオアンチゲンはクローン性ないしは低頻度に存在すると予測される。つまり、高頻度変異を持つ腫瘍が確立されるのは、免疫回避の発生後のみである。さらに、負の選択下での体細胞バリアントのサイト頻度スペクトル(SFS)は、負の選択の強度が増加するにつれて、より中立になるようであり、これは、従来の中立説と一致する。これらの予測は、879の大腸がん、胃がん、子宮内膜がんでのエキソームおよびRNA塩基配列決定データにおいて、ネオアンチゲン頻度および免疫回避を解析することによって裏付けられた。

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