Technical Report

オミックス解析:関節組織のトランスクリプトームワイド関連解析とメンデル無作為

Nature Genetics 52, 11 doi: 10.1038/s41588-020-0706-2

本論文では、原因推定のための関節組織インピュテーション(JTI)手法とメンデル無作為化の手法MR-JTIを示す。JTIは、異なる組織のトランスクリプトームの情報を取り入れることによって、共通の遺伝的調節を利用できるようにし、それによって組織依存的な予測性能を向上させている。特にJTIには、特別な場合として単一組織インピュテーション法PrediXcanが含まれており、他の単一組織手法(ベイズスパース線形混合モデルおよびディリクレ過程回帰)より優れている。MR-JTIは、バリアントレベルの不均一性をモデル化(主に水平多面効果によるもので、トランスクリプトームワイド関連解析の解釈の主要な課題に対処している)するものであり、また、第一種過誤の制御により原因推定を行う。我々は、トランスクリプトームワイド関連解析の原因推定戦略として、遺伝子発現や複雑形質の遺伝的構造とメンデル無作為化適合性の間の関係を明らかにした。また、我々はGTExパネルおよびPsychENCODEパネルから作り出されたインピュテーションモデルのリソースを示す。バイオバンクデータやメタ解析データの解析、および広範なシミュレーションから、既存の手法と比較して、JTIの統計的検出力、再現性、原因マッピング率が大きく向上していることが示された。

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