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造血系の分化:DNAメチル化の乱れは造血系の分化の全体像を再形成する

Nature Genetics 52, 4 doi: 10.1038/s41588-020-0595-4

DNAメチル化(DNAme)に関わる遺伝子(例えばTET2DNMT3A)の変異は、造血器悪性腫瘍やクローン性造血でよく見られる。今回我々は、マウスの造血系幹・前駆細胞に対して一細胞塩基配列決定を行い、Tet2Dnmt3aを喪失させると、これらの変異が造血系の分化を乱し、赤血球と骨髄単球の前駆細胞の頻度に逆の変化が起こることを見いだした。特筆すべきは、これらの変化の由来を、運命拘束されていない造血幹細胞における転写プライミングのひずみにまでさかのぼることができることである。我々は、ゲノムワイドのDNAme変化とそれに特異的な赤血球や骨髄単球のひずみとを対応付けるために、転写因子が、それらの結合モチーフのCpG含量に見られる偏りに起因した感受性の違いを持つという仮説を立て、それを支持する証拠を見いだした。標的化遺伝子型判定による一細胞トランスクリプトームの解析により、DNMT3Aの変異したヒトのクローン性造血骨髄前駆細胞における転写プライミングに同様のひずみを示した。これらのデータは、DNAmeが造血系分化のトポグラフィーを形作ることを示しており、ゲノムワイドのメチル化変化が、転写因子結合モチーフのCpG含量の偏りを介して分化のひずみに変換されるとするモデルを支持する。

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