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エンハンサー:Spt5を介したエンハンサーの転写はエンハンサー活性を物理的なプロモーター相互作用に直接結び付ける
Nature Genetics 52, 5 doi: 10.1038/s41588-020-0605-6
活性化されたエンハンサーが転写されることはしばしば報告されているが、エンハンサーの転写がどのような調節機能を担っているかには議論がある。今回我々は、マウスの活性化B細胞において、RNAポリメラーゼIIの一時停止および伸長因子Spt5を枯渇させると、エンハンサーと遺伝子のペアの約50%が転写の共調節を示すことを明らかにした。これは、エンハンサーの転写が機能的に必要であり得ることを支持する結果と矛盾しない。特にSpt5の枯渇は、免疫グロブリン重鎖座位(Igh)においてスーパーエンハンサーとプロモーター間の物理的相互作用や遺伝子発現を失わせ、抗体のクラススイッチ組換えを引き起こさなくした。この異常は、エンハンサーの転写の喪失と完全に相関していたが、エンハンサーにおけるヒストンH3のリシン27のアセチル化やクロマチン接近性、メディエーターやコヒーシンの占有率には影響を及ぼさなかった。Spt5枯渇細胞でのエンハンサー転写のCRISPRaによる救済で、Igh遺伝子の発現が回復した結果は重要である。我々の研究は、Spt5を介したエンハンサーの転写が、一部の活性化エンハンサーとその標的プロモーター間の物理的かつ機能的な相互作用の根底にあることを示唆している。