Analysis

植物のGWAS:全ゲノム情報のない植物における表現型の違いの要因となる遺伝的バリアントの同定

Nature Genetics 52, 5 doi: 10.1038/s41588-020-0612-7

構造バリアントや多型の有無は植物ゲノムでは一般的に見られるが、ゲノムワイド関連解析(GWAS)では通常解析の対象から外れている。今回、我々はGWASで検出する遺伝的バリアントの種類を拡張し、大きな欠失や挿入、ゲノム再構成を含むようにした。我々はまず、参照ゲノムとは無関係に、広い範囲の多型を示す短い配列(k-mer)を生のシークエンスデータから直接導き出した。そして次に、表現型に関連するk-merを特定のゲノム領域に結び付けた。このアプローチを用いて、我々はシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)集団、トマト集団、トウモロコシ集団に見られる2000の形質を再解析した。k-merによって見つかる関連は、SNPによって見つかる関連を再現しているが、統計的にはより強い支持を得ている。重要なことに、構造バリアントに対する新たな関連や、参照ゲノムには欠けている領域に対する新たな関連が見つかった。我々の結果は、まずGWASを行ってからシークエンスリードを特定のゲノム領域に結び付けていくという方法の有用性を実証するものであり、この方法によって、表現型の違いの原因となる遺伝的バリアントをより広範囲に検出することが可能となる。

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