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遺伝子発現:分析評価した遺伝子発現量が関与する疾患への遺伝的影響を定量化

Nature Genetics 52, 6 doi: 10.1038/s41588-020-0625-2

ゲノムワイド関連解析(GWAS)によって特定された疾患バリアントは発現量的形質座位(eQTL)と重なる傾向があるが、この重なりは、遺伝子発現量を介して疾患への遺伝的影響がもたらされた結果なのかは分かっていない。本論文では、遺伝子発現量のシス遺伝的要素が仲介する疾患遺伝率を推定するための新しい方法、MESC(mediated expression score regression)を紹介する。42の形質のGWAS要約統計量(平均N = 323,000)と、GTEx(遺伝子型–組織発現)コンソーシアムの48の組織のシスeQTL要約統計量にMESCを適用した。形質全体で平均すると、分析評価した遺伝子発現量が関与していたのは、遺伝率のうちの11 ± 2%のみであった。発現が関与する遺伝率は、自然選択の制約の証拠を持つ遺伝子と疾患に適切に注釈付けされた遺伝子に濃縮されていた。我々の結果から、分析評価した組織全体のeQTLは、疾患に関連するが、疾患の遺伝率の大部分を説明できないことが実証された。

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