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メンデルランダム化解析:ゲノムワイドな要約統計量を用いてメンデルランダム化により相関性および非相関性の多面効果を説明する
Nature Genetics 52, 7 doi: 10.1038/s41588-020-0631-4
メンデルランダム化(MR)は、関連解析を用いて形質と遺伝的バリアントの因果関係を検出する非常に有用な技術である。ゲノムワイド関連解析(GWAS)が増えていることに伴い、MRを適用する機会が急速に増加している。しかし、既存のMR手法は、しばしば強引な仮定に依存しているため、偽陽性につながる。バリアントが遺伝性の共有因子を介して2つの形質に影響を及ぼす場合に生じる相関性の水平多面効果は、特に難しい問題である。我々は、相関性および非相関性の水平多面的効果を説明する新しいMR手法である要約効果推定量を用いた原因解析CAUSE(Causal Analysis Using Summary Effect estimates)を提案する。シミュレーションでは、CAUSEが他の方法に比べて、相関性の水平多面的効果によって引き起こされる偽陽性をより多く回避することが実証された。最近のGWASで研究された形質に適用すると、CAUSEは文献による強力な裏付けがある因果関係を検出し、非常に可能性の低いと考えられる関係は回避することが分かった。我々の結果から、遺伝性の共有因子は一般的に見られ、別の方法を用いると多くの偽陽性につながる可能性があることが示唆された。