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がんの遺伝子増幅:クロモスリプシスとその後の環状組換えは、ヒトのがんにおいてがん遺伝子増幅を促進する

Nature Genetics 53, 12 doi: 10.1038/s41588-021-00951-7

がんにおける複雑なゲノム増福については、それがどのような機構で発生するかがほとんど分かっていない。今回我々は、小児腫瘍である神経芽腫の全ゲノム塩基配列決定データを用いて、「地震波的(seismic)増幅」と名付けた増幅のタイプを発見したので報告する。この地震波的増幅は、複数の再編成と不連続的な数のコピー数を特徴とする。総合すると、地震波的増幅は38のがんタイプの9.9%(2756例中の274例)で見られ、大幅なコピー数増加やがん遺伝子発現の上昇を伴った。地震波的増幅の発生を再現すると、まずクロモスリプシスの発生が起こり、続いて環状染色体外DNAが形成され、その後に環状組換えが繰り返し起こるという段階的な過程が明らかになった。その結果生じたアンプリコンは、染色体外環状DNAとして残るか、明確に観察できる腫瘍に見られるゲノムに再統合されるかしている。本研究のデータをまとめると、かなりの割合のヒト悪性腫瘍において、クロモスリプシスと環状組換えの連続的な発生によって、がん遺伝子の増幅と過剰発現が促進されることが明らかになった。

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