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精神疾患:8種類の精神疾患の症例において異なる対立遺伝子頻度を持つ座位をCC-GWASにより発見する

Nature Genetics 53, 4 doi: 10.1038/s41588-021-00787-1

異なる精神疾患の間には遺伝学的に高度な相関が見られるが、それらの疾患間の遺伝的差異についてはほとんど研究が進められていない。本論文では、新しい方法(症例–症例ゲノムワイド関連解析;CC-GWAS)を開発し、各疾患についての症例–対照GWASからの要約統計量を用いて、2つの疾患の症例の間に見られる対立遺伝子頻度の差異を調べた。この方法は、個人レベルのデータを必要とする現在の方法の持つ課題を解決する方法である。シミュレーションと解析計算により、CC-GWASは、第1種過誤の効果的な制御を行えるに足る能力を備えていることが確認された。我々はCC-GWASを、統合失調症、双極性障害、大うつ病性障害、その他の5つの精神疾患についての公開されている要約統計量に適用した。その結果、CC-GWASによって、196の独立した症例–症例座位を見いだした。その中には、入力に用いた症例–対照要約統計量ではゲノム規模のレベルでの有意に達しなかった72のCC-GWAS特異的座位が含まれている。これらのCC-GWAS特異的座位のうちの2つは、神経突起伸長および軸索再生への関与が見つかっている遺伝子KLF6KLF16[転写因子のKrüppel様ファミリー(KLF)に属する]との関連が示唆された。CC-GWAS座位は、独立した追試データを持つデータセットにおいて再現性があることが確認された。

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