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糖代謝:糖代謝関連形質の民族横断的なゲノム基盤

Nature Genetics 53, 6 doi: 10.1038/s41588-021-00852-9

糖代謝関連形質は、2型糖尿病や心血管代謝疾患の診断とモニタリングに用いられている。糖代謝関連形質に関するこれまでの遺伝学的研究の多くは、ヨーロッパ系の人々を対象としたものであった。本研究では、空腹時血糖値、経口ブドウ糖負荷2時間後血糖値、HbA1c値、空腹時インスリン値のデータが入手可能な、糖尿病に罹患していない合計28万1416人(約30%は非ヨーロッパ系)を対象としたゲノムワイド関連解析の結果を統合した。民族横断的および民族特異的なメタ解析により242の関連座位が特定され(99は新規座位、P < 5 × 10−8)、そのうちの80%では民族集団間での異質性を示す有意な証拠は認められなかった。ヨーロッパ系の人々に限定して同等のサンプルサイズで解析を行ったとすると、新規に特定された座位の数は24少なかったと考えられる。単一の民族集団における解析と比較して、同等サイズの民族横断的なファインマッピングでは、確信度99%のセットに含まれる推定バリアント数が中央値で37.5%減少した。ゲノム特性解析、遺伝子発現解析、遺伝子セット解析では、各形質で異なる生物学的特徴が認められ、基盤にある生物学的経路の違いが明らかになった。民族横断的な解析を行うことで検出力と分解能が向上した本研究の結果は、糖尿病の病態生理に関する我々の理解を深めるものである。

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