Technical Report

バリアントの機能解析:CRISPR-Selectを用いた遺伝的配列バリアントのマルチパラメトリックで正確な機能解析

Nature Genetics 54, 12 doi: 10.1038/s41588-022-01224-7

遺伝性疾患に関連する何千もの遺伝的配列バリアント(変異)の機能的役割を決定することは、重要な課題である。本研究において、柔軟なノックインアッセイ系のセットである、CRISPR-SelectTIME値およびCRISPR-SelectSPACE、CRISPR-SelectSTATEを紹介する。細胞集団に遺伝的変異を導入し、中立な内部対照変異と比較することによりその絶対的な頻度を、時間や空間、あるいは、フローサイトメトリーによって測定可能な細胞状態の関数として追跡する。CRISPR-Selectは表現型としては、例えば、特定のバリアントによる病因性や薬剤応答性/耐性、in vivoでの発がん促進性を決定することができる。またメカニズムとしては、運動性/浸潤性、あるいはフローサイトメトリーマーカーで表した任意の細胞状態や生化学的プロセスとバリアントとの因果関係を見つけることにより、バリアントがどのように表現型をもたらすのかを解明する。本法は、オルガノイドや非形質転換細胞、がん細胞株に適用可能であり、正確で定量的、高速かつシンプルである。また、シングルウェルおよび高スループットな96ウェルフォーマットにおいて使用可能である。CRISPR-Selectは、遺伝性疾患の研究や診断、薬剤開発における、汎用性の高い機能的バリアントアッセイ系を提供する。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度