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脳関連形質:ヒト脳についての複数祖先系集団のeQTLメタ解析によって脳関連形質の原因バリアント候補を特定

Nature Genetics 54, 2 doi: 10.1038/s41588-021-00987-9

大規模なゲノムワイド関連解析(GWAS)により、脳関連形質に関連する何百もの座位が明らかにされているが、これらの形質の根底にあるバリアント、遺伝子、分子機構の解明はいまだに困難である。GWASと発現量的形質座位(eQTL)の統合や両者に共通の遺伝的構造の特定は、遺伝子や原因バリアントの候補を選ぶために広く採用されている。しかし、この手法は、サンプルサイズ、統計学的検出力、連鎖不平衡の存在によって制限される。本論文では、多変量多数QTL(multivariate multiple QTL;mmQTL)の手法を開発し、複数祖先系集団にわたる大規模なeQTLメタ解析を行って、検出力と精細マッピングの分解能を向上させた。2119人のドナー(非ヨーロッパ系の474人を含む)から得た3983のRNA塩基配列決定試料を解析すると、3154の有効なサンプルサイズが得られた。eQTLとGWASを合わせて行う統計学的精細マッピングにより、24の脳関連形質に関する329のバリアント–形質ペアが見つかった。これらのペアは、189の異なる遺伝子に対する204の一意の原因バリアント候補によってもたらされたものである。この統合解析によって、原因バリアント候補が見つかり、統合失調症、双極性障害、アルツハイマー病の基盤となる遺伝子の有望な調節機構が明らかになった。

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