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ブルガダ症候群:ゲノムワイド関連解析から、ブルガダ症候群の新しいリスク座位が見つかり、疾患感受性におけるナトリウムチャネル調節の新しい機構が明らかになった

Nature Genetics 54, 3 doi: 10.1038/s41588-021-01007-6

ブルガダ症候群(BrS)は、若齢成人の突然死に関連する不整脈疾患である。感受性遺伝子は、心臓のナトリウムチャネルNaV1.5をコードするSCN5A以外はほとんど知られていない。本論文では、血縁関係のないBrS症例2820人と対照1万1人からなるゲノムワイド関連メタ解析を行い、12座位(10座位は新規)において21の関連シグナルを見つけた。一塩基多型(SNP)ベースの遺伝率の推定から、強力な多遺伝子効果が示された。21の感受性バリアントに基づく多遺伝子リスクスコア解析から、ありふれたリスク対立遺伝子の累積的関与は患者サブグループ間でさまざまに異なっていること、また、BrSは心臓の電気的形質や一般集団における心血管疾患と遺伝的関連があることが示された。心臓の転写因子座位との関連が多く見られることは、転写調節がBrSの病因の重要な特徴であることを示している。さらに、微小管プラス端に結合するタンパク質EB2をコードするMAPRE2について行った機能的研究から、NaV1.5発現に及ぼす微小管関連の輸送効果が、基盤となる新しい分子機構であることが示された。総合的にこれらの知見から、BrSの遺伝的構造の理解が深まり、その分子基盤についての新しい手掛かりが示された。

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