Technical Report
画像診断:GestaltMatcherは、顔貌の表現型記述子を使用して希少疾患の照合を容易にする
Nature Genetics 54, 3 doi: 10.1038/s41588-021-01010-x
多くの単一遺伝子疾患は特徴的な顔貌を示す。人工知能は、何千枚もの患者の写真を用いて訓練することにより、顔貌の表現型と原因となる疾患を関連付け、医師がこれらのパターンを判別するのを助けることができるようになる。しかし、この「教師あり」の方法では、疾患が訓練セットに含まれている場合にのみ診断可能である。そこで我々は、超希少疾患の判別を向上させるために、深層畳み込みニューラルネットワークに基づいた、肖像写真の符号化装置GestaltMatcherを開発した。1115種類の希少疾患を有する患者1万7560人の写真を使用して、症例同士の距離を症候の類似度で定義したClinical Face Phenotype Space(臨床顔貌表現型空間)を構築した。本研究で我々は、訓練セットに含まれない疾患についても、同じ分子診断を下された患者同士を照合できることを示す。GestaltMatcherは、変異のデータと共に使用することで、顔面の異常形態を示す超希少疾患の診断を加速するだけでなく、新しい表現型を記述することも可能にした。