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自己免疫疾患:HLAの自己免疫リスク多型はT細胞受容体の超可変領域を制限する

Nature Genetics 54, 4 doi: 10.1038/s41588-022-01032-z

ヒト白血球抗原(HLA)遺伝子の多型は、自己免疫疾患のリスクに強い影響を及ぼす。HLAのリスク多型は、胸腺でのT細胞選択に影響を及ぼし、自己抗原に反応するT細胞受容体(TCR)の頻度を高める可能性がある(「中心仮説(central hypothesis)」)。しかし、ヒトの自己免疫の研究から、この中心仮説を裏付ける証拠はほとんど示されていない。抗原認識部位であるTCRの相補性決定領域3(CDR3)は、非常に多様性が高い領域であり、本論文では、その組成にHLAの多型が及ぼす影響について調べた。その結果、CDR3はその多様性にも関わらず、HLAに強く関連することが観察された。最も強い関連は、HLA-DRB1の13番目のアミノ酸に見られた。この位置は、複数の自己免疫疾患の遺伝的リスクに影響することが分かっている。我々は、HLAリスク多型の影響を強く受ける、CDR3の複数のアミノ酸の特徴を明らかにした。さらに、このHLAリスク多型によってもたらされるCDR3の特徴は、比較対照TCRよりも、病因性TCRに多く見られた(例えば、関節リウマチ患者におけるシトルリン化エピトープ特異的TCR)。総合的にこれらの結果は、中心仮説を裏付ける遺伝的証拠を示している。

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