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クラミドモナス:光合成藻類クラミドモナスChlamydomonas reinhardtiiにおける遺伝子機能の体系的特性決定
Nature Genetics 54, 5 doi: 10.1038/s41588-022-01052-9
光合成生物の遺伝子の多くは、機能が明らかになっていない。我々は、モデル真核藻類であるクラミドモナスChlamydomonas reinhardtiiのDNAバーコード挿入変異体のライブラリーを用い、121以上の異なる生育環境や薬剤処理条件下で生育させた5万8000以上の変異体の表現型を決定した。合計で全遺伝子の59%の遺伝子について少なくとも1つの変異体が表現型を示し、数千の遺伝子の機能を推定する手掛かりとなった。変異体の表現型プロファイルにより、DNA修復、光合成、二酸化炭素濃縮機構、繊毛形成など、これまで機能未知だった遺伝子が関わる生体内反応経路が推定できる。我々は、表現型と遺伝子機能の関係を検証することによりこのデータ情報資源の有用性を示し、例えばアクチン細胞骨格の防御経路を構成する新たな3つの因子を発見した。本研究のデータは陸上植物の表現型の発見にも役立ち、今回、複数のホモログ遺伝子について、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)の変異体とクラミドモナスの変異体で同様の表現型が示された。本研究のデータを情報資源として活用することにより、進化系統樹を横断する広範な生物について、遺伝子機能の特性決定に役立てることが期待できる。