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心疾患:ゲノムワイド関連解析で明らかになった、右心室の構造と機能に関する遺伝的構造
Nature Genetics 54, 6 doi: 10.1038/s41588-022-01083-2
右心室の構造と機能は、冠状動脈疾患(CAD)、拡張型心筋症(DCM)、肺高血圧症および心不全の罹患率や死亡率に影響を与える。しかし、右心室の測定値の遺伝的基盤はほとんど分かっていない。今回我々は、最先端の深層学習アルゴリズムを用いて、心血管磁気共鳴画像法から臨床に関連する4つの右心室表現型(右室拡張末期容積、右室収縮末期容積、右室一回拍出量、右室駆出率)について、英国バイオバンク参加者2万9506人のゲノムワイド関連解析を行った。その結果、少なくとも1つの右心室表現型と関連する25のユニークな座位が見つかり(P < 2.27 × 10−8)、そのうちの17は複合メタ解析で検証された(n = 4万1830)。いくつかの候補遺伝子は、メンデル遺伝する心筋症の遺伝子と重複しており、心筋の収縮や細胞接着に関与している。右心室の多遺伝子リスクスコア(PRS)は、DCMやCADと関連づけられる。本研究の知見は、右心室測定値の遺伝的基盤に関する理解を大幅に進めるものである。