Technical Report

GWAS:親の遺伝子型のメンデル遺伝にもとづくインピューテーションによって直接的な遺伝的影響の推定が改善される

Nature Genetics 54, 6 doi: 10.1038/s41588-022-01085-0

ゲノムワイド関連解析(GWAS)によって推定される影響には、その個人の対立遺伝子が本人に及ぼす影響(直接的な遺伝的影響)、間接的な遺伝的影響(例えば、親の対立遺伝子が環境を介して子に及ぼす影響)、交絡によるバイアスが含まれる。家系内の遺伝的変動は無作為に起こり、親の遺伝子型判定がなされている場合、直接的な遺伝的影響の偏りのない推定が可能である。しかし、親の遺伝子型は判明していないことが多い。本論文では、判明していない親の遺伝子型のインピューテーションを行い、直接的な遺伝的影響を推定する方法を紹介する。我々の方法は、ソフトウェアパッケージsnipar(single-nucleotide imputation of parents、親の一塩基インピューテーション)で実施され、直接的な遺伝的影響が既存の手法より正確に推定される。英国バイオバンクにおいて、遺伝子型が判定されている少なくとも1人の同胞ないしは親を持つ3万9614人を用いて、直接的な遺伝的影響と、学歴〔r = 0.739、標準誤差(s.e.) = 0.086〕や認知能力(r = 0.490、s.e. = 0.086)をはじめとする9つの表現型についての標準的GWASから得られた影響との間の相関を推定した。我々の結果から、標準的GWASでは、いくつかの表現型に大きな交絡バイアスがあることが示された。

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