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染色体外環状DNA:染色体外環状DNAは高リスク髄芽腫における腫瘍不均一性を高める
Nature Genetics 55, 12 doi: 10.1038/s41588-023-01551-3
患者の腫瘍で見られる環状の染色体外DNA(ecDNA)は、がん遺伝子発現、薬剤抵抗性の進化、患者の予後不良を促す重要なドライバーである。今回我々は、計算手法を用いて、髄芽腫患者465人から採取した腫瘍481検体からなる後ろ向きコホートでecDNAの検出と再構築を行い、82人(18%)の患者で環状ecDNAを発見した。ecDNA陽性の髄芽腫患者では、診断5年以内に再発する可能性が2倍以上、死亡する可能性が3倍以上だった。複数のecDNA系譜を有する腫瘍のサブセットには、異なるがん遺伝子の増幅が含まれていた。髄芽腫モデルでのマルチモーダルな塩基配列決定、画像化、CRISPR阻害実験により、細胞ごとのecDNAコピー数の不均一性が腫瘍内に見られるとともに、「エンハンサー再配線」と推定される事象がecDNAで頻発することが明らかになった。本研究は、髄芽腫におけるecDNAの頻度と多様性を明らかにし、髄芽腫を分子サブグループに層別化し、コピー数不均一性とエンハンサー再配線がecDNAの発がん特性であることを示唆している。