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心血管疾患:特発性冠動脈解離のゲノムワイド関連解析のメタ解析で明らかになったリスクバリアントおよび動脈の完全性と組織因子を介した凝固に関連する遺伝子

Nature Genetics 55, 6 doi: 10.1038/s41588-023-01410-1

特発性冠動脈解離(SCAD)は主に女性が発症し、心筋梗塞の原因となるが、まだ研究が進んでいない。SCADが、アテローム性動脈硬化性冠動脈疾患(CAD)などの他の心血管疾患と、遺伝的にどの程度異なっているのかは不明である。本研究では、ゲノムワイド関連解析のメタ解析(症例1917件と対照群9292件)を行い、16のSCADリスク座位を特定したことを報告する。我々は、統合的な機能アノテーションによって、血管平滑筋細胞や動脈繊維芽細胞で調節されており、細胞外マトリックスの生物学的特性に関与すると考えられる遺伝子の優先順位付けを行った。血液凝固カスケードの開始に関わる組織因子遺伝子F3を含む座位は、SCADリスクに対して特異的であるようだった。いくつかの関連バリアントでは、CADと正反対の関連性が見られることから、両疾患には共通の生物学的過程が関与しているが、それらは異なる機構を介していることが示唆される。我々はまた、SCADにおける高血圧の因果的役割も推測する。本研究の知見は、SCADにおける動脈の完全性と組織因子を介した凝固に関する新たな病態生理学的知見を示しており、今後のSCAD特異的な治療法や予防法への道を開くものである。

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