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エンハンサー:動的ネットワークに基づくCRISPRiスクリーニングにより見つかった、細胞状態移行中のCTCFループに制約される非線形エンハンサー遺伝子調節活性

Nature Genetics 55, 8 doi: 10.1038/s41588-023-01450-7

ほとんどのエンハンサーは遺伝子発現に対して弱い効果しか持っておらず、特に複雑な疾患に関与するエンハンサーではそうなので、エンハンサーを包括的に発見することは難題となっている。我々は、細胞状態移行中の非線形的エンハンサー遺伝子調節を利用すると、エンハンサー発見の感度が向上することを、遺伝子調節ネットワークのモデル化により明らかにした。我々は、ヒト胚性幹細胞の胚体内胚葉分化を動的移行系として用いて、移行中のエンハンサーをCRISPRiによりスクリーニングした。その結果、内胚葉を指定するコア転写因子それぞれに対して、エンハンサーの包括的なセットが見つかった。多くのエンハンサーは移行中に強い効果を示したが、移行後の効果は弱く、このモデル化で予測されたエンハンサー撹乱に対する非線形の時間的応答と一致していた。三次元ゲノム情報の統合により、CTCFループの制約による相互作用活性モデル(CIA:CTCF-loop-constrained Interaction Activity model)の開発が可能になり、このモデルは、Hi-Cによるエンハンサーとプロモーター間の接触頻度に基づくモデルと比較して、機能的エンハンサーをより正確に予測した。我々の研究は、正常および病的な細胞状態移行の両方において、高感度で体系的なエンハンサー発見のための一般化可能な戦略を示している。

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