Analysis

神経発達障害:神経発達障害におけるmSWI/SNFクロマチンリモデリング複合体の変化の全体像

Nature Genetics 55, 8 doi: 10.1038/s41588-023-01451-6

DNA塩基配列解読に基づいた神経発達障害(NDD)の研究では、広範な遺伝的要因が見つかっている。しかし、これらのデータをまとめた包括的な解析は、これまでのところ行われていない。今回我々は、ATP依存性クロマチンリモデリングタンパク質複合体である哺乳類SWI/SNF(mSWI/SNFまたはBAF)ファミリーをコードする遺伝子群では、de novoのミスセンスバリアントとタンパク質短縮型バリアントが、核タンパク質複合体の中で非常に多く見られることを明らかにした。NDD関連タンパク質の非短縮型バリアントは、主にcBAFサブ複合体を破壊し、高い疾患重症度と関連する4つの構造領域(mSWI/SNFとヌクレオソームの境界面、ARM〔ATPase-core ARID-armadillo repeatARM〕モジュール挿入部位、Arpモジュール、DNA結合ドメイン)に集まっている。NDDで変化している残基の70%以上は、がんで変異している残基と重複していたが、アミノ酸変化の約60%はNDD特異的だった。これらの知見は、バリアントを機能的にグループ分けし、複雑な異常を表現型の重症度と結び付けるための基盤となり、クロマチン、臨床遺伝学、神経発生の研究コミュニティーのための研究資源となる。

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