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タケ:タケ11種のゲノムアセンブリから、サブゲノム間の優位性の変化により誘発される多様化が明らかとなる

Nature Genetics 56, 4 doi: 10.1038/s41588-024-01683-0

倍数性(ゲノム重複)は進化に大きな影響を与えるが、倍数化した核内における親ゲノム間の相互作用は、しばしばサブゲノム間の優位性に関与するにもかかわらず、あまり理解されていない。本論文で我々は、タケ11種の染色体レベルの新規ゲノムアセンブリと476トランスクリプトーム試料から判明した、2倍体(草本タケ類)から4倍体や6倍体(木本タケ類)までの一連の系統から構成されるタケ類植物(イネ科タケ亜科)の分析結果を紹介する。木本タケ類のサブゲノムは驚異的な核型安定性を示し、2つの4倍体クレードではそれぞれのサブゲノム優位性が維持されており、6倍体クレードではサブゲノム優位性の変化は徐々に起こっていた。木本植物様の木化した茎を持ち、生長速度が非常に速く、周期的に一斉開花するといった特徴を持つ、大きな草本植物としての木本タケ類への進化は、異質倍数化とサブゲノム優位性によってもたらされていた。本研究は、ゲノム状況の依存性や、進化上の時期により優位となるサブゲノムを切り換えることができたといった、驚くべき特徴を備えた倍数体植物のゲノムの優位性について、新たな知見を提供するものである。

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