Article
脳性麻痺:包括的な全ゲノム塩基配列解析から脳性麻痺のゲノム構造に関する知見が得られた
Nature Genetics 56, 4 doi: 10.1038/s41588-024-01686-x
脳性麻痺(CP)の小児327人とその生物学上の親に対して、全ゲノム塩基配列決定(WGS)を行った。その結果、327人の小児のうち、37人(11.3%)が病因性/病因の可能性がある(P/LP)バリアントを持つと分類され、58人(17.7%)は意義不明のバリアント(VUS)持つと分類された。P/LPバリアントは複数の種類にわたり、一塩基バリアント(SNV)/挿入欠失(インデル)(6.7%)、コピー数バリアント(3.4%)、ミトコンドリア変異(1.5%)が含まれていた。COL4A1遺伝子には最も多くのP/LP SNVが含まれていた。我々はまた、de novo変異率と遺伝的負荷解析のベースライン情報を提供するために、2つの小児対照コホート(両親と子の3人組n = 203、および同胞対家族n = 89)を解析し、後者では、有害なde novo変異と神経系関連遺伝子との関連性が示された。エンリッチメント解析では、これまでに報告されていない有望なCP遺伝子候補(SMOC1、KDM5B、BCL11A、CYP51A1)が見つかった。多因子性のCPリスクプロファイルと、かなりのP/LPバリアントが存在することから、全てのCPや関連する表現型の診断精密検査にWGSを含めることが支持される。