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クロマチン解析:一細胞マルチオーム回帰モデルは機能的エンハンサーと疾患関連エンハンサーを特定し、クロマチン潜在能解析を可能にする

Nature Genetics 56, 4 doi: 10.1038/s41588-024-01689-8

本論文では、遺伝子レベルの調節モデルであるSCARlink(single-cell ATAC + RNA linking)について紹介する。SCARlinkは、マルチオーム(scRNA-seqとscATAC–seqの共アッセイ)の塩基配列決定データを用いて、一細胞の遺伝子発現を予測し、エンハンサーと標的遺伝子を結び付ける。この手法は、タイルレベルの接近性データに対するポアソン回帰の正則化を用いて、遺伝子座位での全ての調節効果を合わせてモデル化することで、遺伝子ピークのペアワイズ相関の制約やピーク検出に対する依存性を回避する。SCARlinkは、高カバー率のマルチオームデータセットにおいて、クロマチン接近性からの遺伝子発現のインピュテーションが既存の遺伝子スコア化手法よりも優れており、低カバー率のデータセットにおいても同等のパフォーマンス向上をもたらした。学習済みモデルに対するシャープレイ値解析では、細胞タイプ特異的な遺伝子エンハンサーが見つかり、これらはプロモーターキャプチャーHi-Cにより検証され、また、ファインマッピングされたeQTLで11倍から15倍、およびファインマッピングされたゲノムワイド関連解析(GWAS)バリアントで5倍から12倍に濃縮された。さらに、SCARlinkによって予測および観察された遺伝子発現ベクトルは、発生軌跡解析を可能にするクロマチン潜在能のベクトル場を算出するためのロバストな方法を提供する。

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