Article

2つの原子核集団間におけるX線放射のラビ振動

Nature Photonics 11, 11 doi: 10.1038/s41566-017-0013-3

単一共振器モードと電磁共鳴の間に強結合領域を実現することは、量子光学の中核である。この領域では、系の2つの構成要素間での光子の可逆的交換によって、いわゆるラビ振動が生じる。例えば、可視領域や赤外領域における強結合を用いて、非古典的な光状態の生成、光学非線形性の増強、量子状態の制御が行われる。今回我々は、結合した2つの共振器に埋め込まれた2つの共鳴57Fe層間でX線光子のラビ振動を初めて観測したことを報告する。この系は、2つの層が強く結合した有効ハミルトニアンによって記述される。我々は、系の時間的発展においてラビ振動の特徴として正弦波状のビートパターンを、反射光スペクトルにおいて核共鳴の分裂を観測している。今回の結果は、X線量子光学という新分野の進歩を大幅に促進するものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度