Letter

二光子励起向けに設計された光増感剤を利用した血管閉塞

Nature Photonics 2, 7 doi: 10.1038/nphoton.2008.100

<p>二光子励起で得られる光吸収の空間的制御のおかげで、顕微鏡法や微細加工は驚異的に進歩した。二光子励起の光線力学療法分野への医学的応用が広く提案されているが、これまでは光増感剤(生体組織に取り込まれ光を吸収すると有毒化する化合物)の二光子断面積が小さいため実用的でなかった。高効率二光子活性化薬剤が作られれば、治療体積を精密に3次元操作できるようになり、現在の治療技術では達成できないレベルのターゲティングが可能になるであろう。今回我々は、高効率二光子励起向けに設計された新種の光線力学療法用薬剤群について報告し、それらの薬剤の1つを用いて二光子励起光線力学療法による血管の選択的閉塞を<I>in vivo</I>で実証する。これらの共役ポルフィリン二量体の二光子断面積は、標準的な臨床光増感剤より2桁大きい。これにより、高効率二光子励起向けに設計された光増感剤を利用した<I>in vivo</I>での光線力学治療が初めて示されたことになる。</p>

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