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左回りの光放射トルク
Nature Photonics 8, 8 doi: 10.1038/nphoton.2014.142
光が及ぼす力とトルクは、物体の操作に利用できる2つの力学的自由度で、光ピンセットの基礎となる。対象物は、ケプラーの直観では入射光子束の下流方向へ押されるはずであるが、最近になって光の「負」の力という着想が報告され、多くの進展のきっかけとなった。今回我々は、光の負の力の角度版である直観に反する作用について報告する。つまり、円偏光ガウスビームが入射光角運動量とは符号が反対のトルクを生じさせることを実証している。こうした「左回りの」力学的効果は、不均一かつ異方性で透明な巨視的媒質を使うことで実証された。光によって生じた、巨視的対象物の回転を実際に直接観測することは難しいが、この困難は回転ドップラー効果を利用することにより克服された。こうした結果は、スピン軌道オプトメカニクスの解明に光を投げかけ、左回りのオプトメカニクスに角度を操作する手段を与える。