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分子振電スペクトルを生成するためのボソンサンプリング

Nature Photonics 9, 9 doi: 10.1038/nphoton.2015.153

制御可能な量子デバイスによって、量子計算と量子シミュレーションに新たな方向が開かれる。最近、ボソンサンプリングと呼ばれる問題から、コンピューターでは解きにくい問題を解く手段が得られることが示された。これには完全な量子コンピューターは必要でなく、代わりに線形光学量子装置が用いられる。今回我々は、量子シミュレーションを目的としたボソンサンプリングの改良を提案する。特に、ボソンサンプリング光ネットワークと結合したスクイーズド状態の光を利用して、効率的な古典アルゴリズムが現在知られていない問題である分子振電スペクトルの生成が可能になることを示す。我々は、量子光学ユニタリー変換を経てこうしたシミュレーションを実行する一般的な枠組みを提示し、今後、実験で実現するための具体的な分子例を示している。

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