筋原線維形成を目的とした、異方性導電を示す垂直配列化カーボンナノチューブ含有ハイブリッドハイドロゲル
Hybrid hydrogels containing vertically aligned carbon nanotubes with anisotropic electrical conductivity for muscle myofiber fabrication
2014年3月19日 Scientific Reports 4 : 4271 doi: 10.1038/srep04271
電気的・機械的特性を調節できる生物学的足場は、再生医療、バイオロボティクス、バイオセンシングなど、さまざまな分野で非常に関心が高い。本研究では、誘電泳動(DEP)を利用して着実・単純・迅速な方法で、ゼラチンメタクリレート(GelMA)ハイドロゲル内にカーボンナノチューブ(CNT)を垂直に配列化させた。GelMA-配列化CNTハイドロゲルは、異方性導電を示す他、GelMAハイドロゲル単体やCNTがランダムに分散したGelMAハイドロゲルよりも優れた機械的特性を示した。また、垂直配列化CNT含有GelMAハイドロゲル上で骨格筋細胞を増殖させたところ、ランダム分散CNT含有ハイドロゲル上や水平配列化CNT含有ハイドロゲル上で培養した場合よりも機能的筋原線維の数が多いことが、筋原性遺伝子とタンパク質の発現によって確認された。加えて、CNT配列方向に電気刺激を与えると、GelMA-垂直配列化CNTハイブリッドハイドロゲルの異方性導電に起因して、筋原性遺伝子とタンパク質の発現が大きく増加した。我々は、バイオセンシング、バイオエレクトロニクス、機能性生物医学デバイスの開発など、別の生物医学応用において、今回のプラットフォームが大きな注目を集める可能性があると考えている。
Samad Ahadian1, Javier Ramón-Azcón1, Mehdi Estili2, Xiaobin Liang1, Serge Ostrovidov1, 珠 玖仁3, Murugan Ramalingam1,4,5, 中嶋 健1, 目 義雄6, Hojae Bae7, 末永 智一1,3 & Ali Khademhosseini1,8,9,10,11
- 東北大学 原子分子材料科学高等研究機構
- 独立行政法人 物質・材料研究機構 若手国際研究センター
- 東北大学大学院 環境科学研究科
- クリスチャン医科大学(印)
- ストラスブール大学(仏)
- 独立行政法人 物質・材料研究機構 先端材料プロセスユニット
- 建国大学校(韓)
- ハーバード大学医学系大学院(米)
- マサチューセッツ工科大学(米)
- ハーバード大学(米)
- 慶熙大学校(韓)