Nature Cancer について
刊行目的と対象範囲
Nature Cancer は、基礎研究からトランスレーショナル研究、臨床研究まで幅広い範囲を対象とし、生命科学、物理科学、応用科学、社会科学におけるがん研究の全領域にわたって、特に重要な進展を掲載することを目指します。本誌の幅広い対象範囲は、がんに関する生物学、遺伝学、ゲノミクス、診断法や治療法の開発や送達のための新たな手段、がんの世界的な社会的影響を理解する新たな方法など、新たな知見を提示するあらゆるがん研究をカバーしているため、掲載された成果は、可能な限り幅広い読者の元へと確かに送り届けられます。
がんは深刻な疾患であり、世界の6人に1人ががんで死亡しています。これらの死因の大部分は防ぐことができますが、予防や治療の結果を改善するには、正確な診断や、効果的で最適な治療法の開発、がんの発生や罹患率、死亡率に影響を及ぼす社会経済的要因についてより良く理解することが必要となります。
Nature Cancer は、がんコミュニティーが、生命科学、物理科学、応用科学、社会科学にわたって、がんに関連した特に重要な最新の進展を知るために、独自の議論の場を提供します。本誌の関心領域には、以下のものがあります。
- 腫瘍のイニシエーションや伝播、プログレッションの根底にある機構について、我々の理解を深める基礎的な前臨床研究
- 診断法や治療法を開発し送達するための新たな手法に焦点を合わせ、基礎研究で得られた知見を臨床に活かすことを目指すトランスレーショナル研究
- がんの診断、治療、予防に役立つ臨床研究
- がんがもつ世界規模での社会的影響を理解するための新たな方法
Nature Cancer では、オリジナル研究に加えて、がん研究に関連する幅広い領域について、重要性の高いComments、Reviews、News & Views、Features、Correspondenceも掲載します。
Nature Cancer がカバーするトピック:
- がんの生物学:分子経路や細胞過程(腫瘍開始細胞/がん幹細胞を含む)の調節が失われることによる発がん機構や腫瘍抑制機構に関する全般的なもの。
- がんの遺伝学やゲノミクス:機能ゲノミクス解析や、ゲノム完全性やゲノム不安定性、突然変異の根底にある機構をはじめとした、がんの遺伝学やゲノミクスなど。
- 腫瘍の進化と不均一性。
- 腫瘍と宿主間の相互作用:腫瘍微小環境(分子的、細胞生物学的、物理学的)や全身性の影響など。
- 腫瘍の免疫学と免疫療法。
- 転移:がん細胞の播種や、二次的部位における定着や休眠、増殖の機構など。
- 治療法:新たな設計や送達、標的化療法、併用療法、プレシジョン・メディシン(精密医療)、治療抵抗性の研究など。
- 臨床研究:がんの診断や治療、予防に役立つもの。
- がんモデルや方法論:がんの研究、診断、治療を目的としたもの。
- システム生物学:がんの特徴づけや研究を行うための大規模な、あるいは単一細胞オミクスやマルチオミクス手法など。
- 社会的、倫理的、政策的な話題:がんの研究や予防、診断、治療に関わるもの。
コンテンツの種類
Nature Cancer は、原著論文だけでなく、News & Views、Reviews、Perspectives、Comments、Features、Correspondenceといった幅広い種類のコンテンツを掲載し、この分野における重要な進展や時事問題についても詳しく扱います。
編集部とお問い合わせ先
他のNature 関連誌と同様に、Nature Cancer には外部の編集委員会がありません。あらゆる編集上の判断は、研究や編集に相応の経歴をもった専門のエディターからなる専任チームにより行われます。