Nature Food コレクション
飢餓を終わらせるための持続可能な解決策
2020年10月
効果的な農業介入は、飢餓を終わらせるための持続可能な解決策を見いだすという取り組みを促進することができる。本コレクションでは、2030年までに飢餓ゼロを実現するための介入策ではどの分野への支出を優先させるべきか、Ceres2030チームによる根拠に基づいた推奨事項を紹介する。
植物のマイクロバイオーム
2020年10月
国連総会は植物の健康について理解し守るため、また植物の健康が生態系の健康や食料安全保障、人間の健康で重要な役割を担っていることを周知するため、2020年を国際植物防疫年とすると宣言した。植物がすみかを提供している多様な微生物群集は、植物の根や葉圏、根圏、内圏に共生する細菌や真菌、原生生物、線虫、ウイルスで構成されている。さまざまな研究分野の多数の研究から、植物と共生微生物群集や環境との間の複雑な相互作用に関する知識が広がってきた。また、植物の成長や適応度、ストレスへのレジリエンス、健康に対する植物微生物相の重要性が認められるようになるなど、こうした共同関連性の生態学的特性や機能に関する洞察が得られている。これらの知識が増えたことで、植物の共生微生物群集を持続可能な植物生産と農業に利用し、生物多様性の減少と植物病害の蔓延をもたらす気候変動と人間活動の影響から植物を守ることができる可能性が出てきた。だが、植物共生微生物群集の構築とその動態や代謝相互作用、機能特性については、いまだに知識が不十分で研究が必要とされている。本コレクションでは、この課題に関する植物マイクロバイオーム研究の最新の成果を紹介する、Nature 関連誌に掲載された総説論文や研究論文を取り上げる。