Nature ハイライト

Cover Story:レーザー冷却された反物質:紫外光による反水素原子の操作と冷却

Nature 592, 7852

光子を使って原子の運動を減速させるレーザー冷却は、40年前に初めて実証され、原子物理学の方法を一変させた。今回ALPHAコラボレーションは、この手法を反物質へと適用することに成功し、レーザー冷却を新たな領域へと導いている。著者たちは、CERNの反陽子減速器施設で実験を行い、磁場を用いて反水素原子を捕捉した後、専用の紫外レーザーの入念に調整したパルスを照射した。これによって原子の一部が減速して冷却されるとともに、測定された反水素原子の原子遷移の幅が狭くなった。彼らは、この手法によって、重力挙動などの反物質の基本的な性質の研究がより容易になるはずであると考えている。表紙は、反陽子と陽電子を捕捉・操作して反水素原子を作るのに使われた、金めっきされたぺニングトラップの端電極の拡大写真。

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