Nature ハイライト

Cover Story:イヌ類のつながり:古代のオオカミのDNAから得られたイエイヌの起源の手掛かり

Nature 607, 7918

古代オオカミのDNAからイエイヌ(<i>Canis familiaris</i>)の起源を探る試みのイメージ画像。
古代オオカミのDNAからイエイヌ(Canis familiaris)の起源を探る試みのイメージ画像。 | 拡大する

Credit: Jessica Rae Peto

イエイヌ(Canis familiaris)の起源は、ハイイイロオオカミ(Canis lupus)にさかのぼることができるが、正確にいつ、どこで、どのようにして家畜化が起こったかは、まだ議論の的になっている。今回A BergströmとP Skoglundたちは、この疑問の解明に一歩近づいている。彼らは、ヨーロッパ、シベリア、北米の全域から得られた、過去10万年にわたる72頭の古代オオカミのゲノムを解析した。その結果、イエイヌは、ユーラシア東部の古代オオカミと最も近縁だが、中近東とアフリカのイエイヌは、その祖先の半分までが、ユーラシア南西部の現代のオオカミに関連する別の個体群に由来することが見いだされた。今回解析された古代オオカミのゲノムはいずれも、イエイヌのこれら2つの祖先と完全には一致しなかったが、著者たちは、今回の結果によってイエイヌの祖先を探す範囲が絞り込まれたと述べている。

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