Nature ハイライト

Cover Story:北欧の暗号:祖先のつながりが中世初期ヨーロッパのゲノム史を解き明かす

Nature 637, 8044

ヒトの祖先系統は多くの地域で比較的似ており、集団間や集団同士を区別するのが難しいため、遺伝的祖先を用いて歴史を遡り、過去の出来事を探ることは困難である。今週号では、L SpeidelとP Skoglundたちが、祖先の微妙な違いを高解像度で再構築できる新たな手法「Twigstats」を報告している。研究チームはこの手法を用いて、中世初期ヨーロッパのゲノム史を調べた。その結果、スカンジナビア系の祖先を持つ2つの流れがヨーロッパ大陸全域に拡大した様子や、ヴァイキング時代(約750~1050年)以前にスカンジナビア内へ拡大した、別の流れを追跡することが可能になった。表紙は、ヴァイキング時代のルーン石に見られる蛇紋岩の彫刻に着想を得たもので、DNAのヌクレオチド(A、T、G、C〔K〕)のエルダーフサルクのルーン文字が描かれている。

2025年1月2日号の Nature ハイライト

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