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  • 神経興奮は寿命を短くする

    神経系から発せられる信号は強力な寿命調節因子である。今回、全体的な神経興奮も寿命の重要な決定要因であるらしいことが明らかになった。

    2020年1月号

  • 代謝と遺伝子を結び付ける乳酸

    細胞では、ヒストンタンパク質の化学的修飾により、遺伝子発現の一部が調節される。今回、乳酸分子に由来するラクチル化が発見され、細胞で遺伝子発現と栄養の代謝を結び付ける経路が明らかになった。

    2020年1月号

  • 小地震も大地震も始まりは似ている

    小さな地震と大きな地震の始まりは、よく似ているのか、あるいは異なっているのか、という問題は、地震学の長年の課題だ。日本周辺の地震を分析した結果、一部のケースでは、小さな地震と大きな地震の始まりはほぼ同一であることが分かった。

    2019年12月号

  • オンラインヘイトの力学

    ソーシャルメディアプラットフォームにおけるオンライン上のヘイトグループの力学の分析から、ヘイトスピーチを禁止する現行のアプローチではうまくいかない理由が明らかになり、オンラインヘイト撲滅に有効な可能性のある4つの戦略の基礎が示された。

    2019年12月号

  • フッ素とアミド基の連続導入に成功

    これまで合成が不可能だった、フッ素原子とアミド基を近接して持つ化合物群の実用的な合成法が考案された。この反応は、創薬分野で大いに役立つ可能性がある。

    2019年12月号

  • 植物が塩を感知する仕組み

    土壌中の高濃度の塩は、植物の成長に有害であり作物の収量を制限する。塩の感知、および耐塩性を導くカルシウムシグナルの発生に、塩と結合する膜脂質が極めて重要であることが明らかにされた。

    2019年11月号

  • 自己免疫疾患を抑制する制御性CD8 T細胞

    CD8 T細胞と呼ばれる免疫細胞は、通常、病原体を殺傷するが、今回、自己反応性CD4 T細胞を抑制する亜集団の存在が示された。この細胞集団は、マウスを自己免疫疾患から防御していた。

    2019年11月号

  • ニッケル酸化物の超伝導

    銅酸化物の超伝導の原因は、磁性だけであると考えられていた。今回、銅酸化物に結晶構造が似た非磁性化合物において超伝導が見いだされ、こうした考えに疑問が投げ掛けられた。

    2019年11月号

  • 瞬く間で細胞コミュニケーション

    原生生物と呼ばれる単細胞生物の体は、超高速で収縮することができる。収縮で生じる周囲の液体の流れが近くの原生生物の連鎖的な収縮を引き起こすことが、分析によって明らかになった。

    2019年10月号

  • 老化した脳ではT細胞が神経幹細胞を抑制

    加齢に依存した環境変化により、幹細胞の機能が低下する可能性がある。このほど、老齢マウスの脳ではT細胞が浸潤し、それにより神経幹細胞が機能不全に陥っていることが分かった。この知見から有望な治療標的が示された。

    2019年10月号

  • 代謝シグナルががん細胞の移動を抑制する

    転移、つまり腫瘍細胞が原発部位から移動することは、予後不良と関連している。細胞代謝の際に作られる分子(代謝物)が転移を制限し、がんの進行を抑制することが明らかになった。

    2019年10月号

  • 極北のヒト系統

    最終氷期、人類はシベリア北東部からアメリカ大陸に達した。古代人と現代人のゲノムを解析することにより、それらの地域に存在した人々の集団史が明らかになった。

    2019年9月号

  • いたずらな微生物

    細菌が医薬品を代謝できるかどうか、さまざまな腸内細菌と広範な種類の医薬品について試験したところ、全ての細菌が複数の医薬品を代謝し、さらに、半数を超える医薬品が代謝されることが分かった。

    2019年9月号

  • プレートテクトニクスの発展に堆積物が貢献

    地球のプレートテクトニクスの出現と発展は、大陸の隆起と、大陸縁と海溝での堆積物の蓄積が関係していたという、斬新なアイデアの証拠を与える研究結果が報告された。

    2019年9月号

  • 室温に近い超伝導

    電気抵抗ゼロで電流が流れる現象、超伝導を室温で示す物質を、研究者たちは1世紀にわたって探し続けてきた。今回、これまでで最も高温の約250ケルビン(K)での超伝導を裏付ける実験結果が得られた。

    2019年8月号

  • なぜ褐色脂肪には多くの神経が分布しているのか

    哺乳動物の褐色脂肪は、熱を発生させることで、蓄積されていたカロリーを燃やす。この過程は、褐色脂肪組織に侵入している神経によって制御される。褐色脂肪の神経分布と熱発生を調節するタンパク質が発見された。

    2019年8月号

  • コドンを修正した大腸菌ゲノムの全合成

    アミノ酸をコードするコドンの種類を通常より少なくした、これまでで最大の合成ゲノムが作製された。この成果により、非天然のアミノ酸残基を含むタンパク質をゲノムにコードできる可能性が高まった。

    2019年8月号

  • タンパク質でできたアルキメデスの立体

    天然のタンパク質を改変して金属と相互作用させることで、生体分子では前例のない特異な構造を持つケージ状集合体が作製された。

    2019年8月号

  • サンゴの共生には3種の生物が関与

    DNA解析と顕微鏡観察から、サンゴの共生に第3の生物が関わっていることが明らかになった。多くの生態系を支える共生関係の機能や進化の複雑さを改めて浮き彫りにする知見だ。

    2019年7月号

  • 暗黒物質検出器が極めて稀な原子核崩壊を観測

    宇宙の「行方不明の質量」であるダークマター(暗黒物質)を探すために設計された、液体キセノンを用いた検出器が、「2ニュートリノ二重電子捕獲」と呼ばれる稀な原子核崩壊を観測した。この結果は、原子核物理学と素粒子物理学に密接に関係する。

    2019年7月号