注目の論文
医学研究:光活性化型「バイオ接着剤」による創傷の修復
Nature Communications
2019年5月15日
Medical research: Repairing wounds with light-activated ‘bio-glue’
動脈と心臓の創をすばやく封止する光活性化型の接着ゲルについて報告する論文が、今週掲載される。この「バイオ接着剤」はブタモデルで実証され、将来、外科手術に応用される可能性がある。ただし、この接着ゲルの安全性を確認するためには、今後の研究でヒトでの試験を含め、さらなる検証を行う必要がある。
外傷を受けた後や手術中に出血が止まらなくなることは、主たる死因の1つであり、こうした創傷を縫合せずに封止するのは難しい。ゲルを用いた溶液を使用する場合には、湿組織への強力な接着性に加えて、高血圧や心臓の拍動に耐える強度が必要とされるが、これらの基準を満たす無毒物質は非常に少ない。
今回、Hongwei Ouyangたちの研究グループは、細胞外マトリックス(タンパク質と他の分子のネットワーク)の組成を模倣し、紫外線照射で急速に硬化するゲルを設計した。Ouyangたちは、実験室での予備的な動物実験で、このゲル系でブタの肝臓の創傷を封止できることを示した。彼らは次に、ブタに一連の外科手術を実施し、このヒドロゲルで心臓の創傷を縫合せずに封止できることを実証した。外科手術後、これらのブタのうち3匹を2週間の回復期間にわたって観察したところ、外科手術による異常は見られなかった。
doi: 10.1038/s41467-019-10004-7
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