注目の論文
【進化学】ヒトはゼブラフィッシュのように眠る
Nature
2019年7月11日
Evolution: We sleep like the fishes
ゼブラフィッシュの睡眠段階は、哺乳類、鳥類、爬虫類と似ているということを示した論文が今週掲載される。この新知見からは、ヒトが経験する睡眠が、4億5000万年前に出現した可能性があることが示唆されている。
睡眠は、動物界の系統樹上の全ての枝について、行動基準を用いて記述されており、ヒトの場合には、主要な電気生理学的特徴、すなわち深睡眠と急速眼球運動睡眠(レム睡眠)が突き止められている。こうした睡眠状態は、他の哺乳類、鳥類、爬虫類にも見つかっているが、ヒトの初期の共通祖先である魚類と両生類が同じ睡眠状態を経験するかどうかは不明であった。
今回、Philippe Mourrainたちの研究グループは、2週齢のゼブラフィッシュ幼生の睡眠時の眼球運動、筋肉運動、心拍とともに脳全体の活動を測定し、この測定結果を用いて、ゼブラフィッシュの睡眠のニューロンのシグネチャーを初めて突き止めた。今回の研究では、さまざまな睡眠状態[徐バースト型睡眠(SBS)、深睡眠、レム睡眠など]を心筋や眼筋などの筋肉に特有のシグネチャーと結び付けて明らかにしている。Mourrainたちは、これらの知見が、脊椎動物全体にとって必須の祖先型の睡眠機能を示している可能性があると考えている。
doi: 10.1038/s41586-019-1336-7
注目の論文
-
6月28日
考古学:古代エジプトの書記官の職業上のリスクScientific Reports
-
6月27日
生物工学:「RNAブリッジ」を用いた新しい遺伝子編集法Nature
-
6月25日
メンタルヘルス:治療抵抗性のうつ病に経口ケタミン錠が有効Nature Medicine
-
6月19日
医学:血中のタンパク質がパーキンソン病の予測に役立つかもしれないNature Communications
-
6月18日
公衆衛生:精神的ウェルビーイングは健康な加齢を促進するNature Human Behaviour
-
6月13日
考古学:マヤ文明の人身供犠儀式の詳細が古代ゲノムの解析により明らかにNature