注目の論文
【医学研究】毛細血管の詰まりを光で取り除く
Nature Communications
2013年4月24日
Medical research: Clearing blocked capillaries with light
生きているマウスの細胞を捕捉し、移動させるための非侵襲的な方法が開発された。これは、赤外光ピンセットを用いる方法で、マウスの毛細血管の詰まりを除去して、血流を回復できることが明らかになった。
光ピンセットは、レーザービームを集光させることによって作り出され、試験管のような管理された環境下での一分子の生物物理学的測定に広く用いられているが、生きている動物の細胞の操作に用いられることはなかった。今回、Yin-Mei Liの研究チームは、マウスの耳の皮下毛細血管に赤外レーザーを集光させる方法を用い、レーザー強度を変えることで、赤血球の停止、解放、透過を行った。Liたちは、この方法によって、毛細血管を詰まらせる血球凝集塊から個々の赤血球を除去して、血流を回復させた。
Liたちは、集光された光の生体組織透過性が比較的低いことから、この赤外光ピンセットの使用範囲が、今のところは皮下毛細血管に限られる点を指摘している。そのため、毛細血管より幅の広い血管や複雑度の高い血栓にも有効に作用するには、この方法のさらなる改善が必要だと考えられる。
doi: 10.1038/ncomms2786
注目の論文
-
3月6日
がん:アスピリンがマウスにおける転移を抑制する可能性を示すNature
-
2月28日
考古学:ベスビオ火山の火山灰雲が脳をガラスに変えたScientific Reports
-
2月25日
健康:世界における乳がんによる死亡率と発生率の推定Nature Medicine
-
2月18日
がん:CAR-T療法を受けた患者に長期寛解Nature Medicine
-
2月6日
疫学:オミクロン以前と以後のSARS-CoV-2に対する免疫反応Nature
-
2月4日
加齢:オメガ3は人間の生物学的加齢を遅らせるかもしれないNature Aging