注目の論文
非侵襲性の腫瘍組織量検査
Nature Medicine
2014年4月7日
Non-invasive tumor burden screening
循環血中の腫瘍DNA(ctDNA)は患者のがんによる負荷を定量する非侵襲性のバイオマーカーだが、これを測定する超高感度の方法の報告が寄せられている。この方法は既存の技術よりも安価で、しかも感度が高く、一人でさまざまな遺伝子型の腫瘍を持つ患者(頻発した変異のデータが分かっている)にも利用できるため、非常に有用である。
Maximilian Diehnたちは、400人を超える患者のデータを利用して、肺がんに頻発する突然変異を網羅するシークエンシング法を開発した。この方法によって、ステージII以上のがんを持つ別の患者群由来の試料の場合は全てから、またステージIの患者由来の試料の場合はその半数から、高感度でctDNAが検出された。検出されたctDNA量は、治療過程での腫瘍量に比例し、治療後に残存腫瘍のある患者が同定でき、治療に対する反応性をX線法よりもうまく調べられた。
この方法を使えば、がんの検査や局所的に進行した腫瘍や転移性腫瘍の遺伝的同定を、生検を必要とせずに行えるため、臨床施設でのがんの個別化治療に利用できる可能性がある。
doi: 10.1038/nm.3519
注目の論文
-
6月28日
考古学:古代エジプトの書記官の職業上のリスクScientific Reports
-
6月27日
生物工学:「RNAブリッジ」を用いた新しい遺伝子編集法Nature
-
6月25日
メンタルヘルス:治療抵抗性のうつ病に経口ケタミン錠が有効Nature Medicine
-
6月19日
医学:血中のタンパク質がパーキンソン病の予測に役立つかもしれないNature Communications
-
6月18日
公衆衛生:精神的ウェルビーイングは健康な加齢を促進するNature Human Behaviour
-
6月13日
考古学:マヤ文明の人身供犠儀式の詳細が古代ゲノムの解析により明らかにNature