注目の論文

食道がんの早期発見に一歩前進

Nature Genetics

2014年6月23日

Early detection of esophageal cancer

今週のオンライン版に、食道がんを早期発見するための新しい検査法が開発されたことを報告する論文が掲載される。この論文には、食道がんの最も初期の段階で変異する遺伝子に関する知見が報告されており、この検査法は、この知見に基づいている。

食道がんは、世界で最も多いがんの1つであり、胃酸の逆流と喫煙など多くの原因が挙げられている。現在、食道がんの発見には、内視鏡検査が用いられているが、この検査法は、食道がんの発見に有効でないことが多い。

今回、Rebecca Fitzgeraldたちは、食道がんの臨床検体における遺伝的変異を調べて、初期の食道がんの検体における変異と比較した。その結果、前がん状態と末期がん状態を判別するために使用可能な2つの遺伝子が明らかになった。TP53遺伝子の変異は、食道がんの初期症状を示す患者から見つかったが、食道がんの良性の前駆体であるバレット食道を有する患者からは見つからなかった。もう1つの遺伝子SMAD4の変異は、がん検体のみで見つかったのだ。Fitzgeraldたちは、以上の新知見を用いて、食道がんの早期発見のための新しい検査法を開発した。

doi: 10.1038/ng.3013

「注目の論文」一覧へ戻る

プライバシーマーク制度