シュプリンガーネイチャー、収益・利益目標を達成 2025年はさらなる成長を見込む
2025年3月25日
- 収益は5%増(実質1ベース)の18億4,700万ユーロ、調整後営業利益は7%増(実質1ベース)の5億1,200万ユーロに。
- 主に研究部門が成長を牽引し、オープンアクセス(OA:Open Access)ジャーナルポートフォリオの堅調な業績を受け、6%の増収(実質1ベース)を達成。
- シュプリンガーネイチャーが出版した一次研究論文におけるOAの割合が、初めて50%に到達。
- テクノロジーとAI(Artificial Intelligence;人工知能)の応用に引き続き重点的に取り組み、出版プロセスをさらに改善。
- 2025年度の業績予想:収益は18億8,500万~19億3,500万ユーロの範囲となる見込み2。調整後営業利益率は少なくとも2024年度と同程度となる見通し。
ベルリン 2025年3月18日
世界有数の研究出版社であるシュプリンガーネイチャーは、2024年度の決算を発表し、継続的な成長と堅調な業績を達成したことを明らかにしました。収益は、実質1ベースで前年比5%増の18億4,700万ユーロとなりました。また、調整後営業利益( adjusted operating profit margin)は、実質ベース1で7%増の5億1,200万ユーロとなりました。
シュプリンガーネイチャーのCEO(Chief Executive Officer;最高経営責任者)であるFrank Vrancken Peeters(フランク・ブランケン・ピーターズ)は、次のように述べています。
「2024年度の堅調な業績は、研究コミュニティーに対して一貫した価値を提供すると同時に、学術出版業界におけるイノベーションを推進する当社の能力を実証するものです。当社が出版する高品質のオープンアクセスコンテンツの量は増加の一途をたどっています。また、当社はテクノロジーと人材に投資することにより、市場を一貫して上回る業績を達成すると同時に、責任ある持続可能な成長を実現しています」
引き続き、主に研究部門がシュプリンガーネイチャーの成長を牽引しています。研究部門の収益は、OAジャーナルポートフォリオの優れた業績を主因として、6%増(実質3ベース)の14億1,400万ユーロに達しました。2024年には、シュプリンガーネイチャーが出版する一次研究論文に占めるOA出版の割合が、初めて50%に達するという重要な節目を迎えました。この成果は、当社がOAへの移行を主導し、科学研究のアクセシビリティーとインパクトを向上させることにより 、さらに大きな価値を研究コミュニティーに提供していることを明確に示すものです。OA論文のダウンロード数や引用数、および注目度は、平均で非OA論文を大幅に上回っています。
教育部門も全般的な成長を下支えし、収益は3%増(実質3ベース)の2億3,500万ユーロに達しました。この成長を後押ししたのが、インドと南アフリカにおける堅調な業績です。ヘルス部門の収益は、1億8,800万ユーロであり、前年比(実質3ベース)で概ね横ばいとなりました。広告による収益は、製薬業界が支出を控えたことに加え、ドイツ健康保険法の改正による影響を受けて減少しましたが、Cureusの収益の堅調な伸びにより一部相殺されました。
シュプリンガーネイチャーでは、テクノロジーとAIに引き続き多額の資金を投じ、出版プロセスを改善・加速するとともに、出版する研究が信用と信頼に値するものであることを保証しています。2024年度の技術関連の投資額は、合計で1億7,700万ユーロとなりました。当社ではAIツールの開発と使用にあたり、すべての判断を人間が下していることを確認するなど、明確な原則を引き続き遵守しています。
2024年度のフリーキャッシュフロー(Free Cash Flow)は、前年の1億6,500万ユーロから2億1,900万ユーロに増加しました。この改善の要因としては、堅調な業績と運転資本の有利な展開、非経常支出の削減が挙げられます。その結果、シュプリンガーネイチャーの財務レバレッジ(financial leverage)は引き続き改善し、財務レバレッジ比率(純負債〔net debt〕/ EBITDA{Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization;金利、税金、償却前利益 〕)は2023年度末の2.9倍から2.3倍に低下しました。この低下には、当社の新規株式公開(IPO:Initial Public Offering)による資金調達も寄与しています。
シュプリンガーネイチャーのCFO(Chief Financial Officer;最高財務責任者)であるAlexandra Dambeck(アレクサンドラ・ダムベック)は、次のように述べています。
「当社の2024年度の業績と財務実績には満足しています。今年度の決算には、高成長分野と業務効率に重点を置いた当社の戦略が反映されています。また、潤沢なフリーキャッシュフローと財務レバレッジの低下により、当社は今後も成長を続け、研究コミュニティーのためのイノベーションへの継続的な投資を行うための条件が整ったといえます」
シュプリンガーネイチャーの2025年度の収益は、前年度の業績(実質ベース)と最新の外国為替レートに基づき、18億8,500万~19億3,500万ユーロ2の範囲となると予想されます。また、調整後営業利益率については、少なくとも2024年度と同程度となる見込みです。上記の見通しには、当社にとってプラスとなる市場動向と将来の成長への継続的投資に関するシュプリンガーネイチャーの評価が反映されています。シュプリンガーネイチャーの中期見通しについては据え置き、従来の業績予想を維持しました。
###
注釈
1 実質ベースの変化には、前年比での外国為替とポートフォリオの変化による影響は含まれていません。報告ベースでは、2023年度の収益は18億5,300万ユーロ、調整後営業利益は5億1,100万ユーロでした。
2 業績予想では、2024年度の実質ベースの収益の値を18億3,500万ユーロとして比較しています。
3 実質ベースの変化には、 前年比での外国為替とポートフォリオの変化による影響は含まれていません。
将来の見通しに関する記述についての注記
本文書には、当社の将来的な事業展開および戦略的方針に関する記述が含まれています。将来の見通しに関する記述は、経営陣による現時点における予想および仮定に基づいています。将来の見通しは、他の公開文書、特に統合経営報告書の「リスクおよび機会の管理」セクションに記載する特定のリスクおよび変動による影響を受けます。上記の予想および仮定が実現しなかった場合、または想定外のリスクが生じた場合には、実際の事業の過程が、予想された展開とは大幅に異なるものとなる可能性があります。したがって当社では、上記の見通しの正確性に関する一切の責任を負いません。
シュプリンガーネイチャーについて
シュプリンガーネイチャーは、世界をリードする研究出版社のひとつです。当社は、最も多くのジャーナルや書籍の出版数を誇り、オープンリサーチのパイオニアでもあります。180年以上にわたって信頼されてきた主要ブランドを通じて、研究者が新たなアイデアを見いだしてそうした発見を共有すること、医療従事者が医学の最前線に立ち続けること、教育者が学習を促進することを支援するテクノロジーを活用した製品、プラットフォーム、およびサービスを提供しています。当社は、当社が支援するコミュニティーとの協力のもと、知識を共有し、世界に対する理解を深めるための進歩に貢献していることを誇りに思っています。
詳細は、about.springernature.comおよび@SpringerNatureをご覧ください。
本件に関するお問い合わせ
宮﨑 亜矢子
シュプリンガーネイチャー
コーポレート・アフェアーズ
E-mail: ayako.miyazaki@springernature.com
英語プレスリリース:Springer Nature achieves revenue and profit targets and projects further growth for 2025