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感染部位へさーっと集合

Nature Immunology

2008年6月9日

Zipping to sites of infection

Nature Immunology

免疫細胞が組織に侵入してきた細菌のところへと集まる方法の報告が寄せられている。それによれば、一連の化学シグナルが道しるべとなって、免疫反応の最初の応答要員である好中球を感染部位へと誘導するという。

免疫細胞の例にもれず好中球も表面に受容体を発現し、これが損傷組織や細菌から放出される化学誘導シグナルを感知する。この受容体の活性化が引き金となってPIP3とよばれる脂質分子が形成され、細胞構造が変化し、細胞の方向性をもった動きにつながる。好中球が感染組織に入ると、化学シグナルに取り囲まれることになり、「どちらに動くべきか」を決める作業に迫られる。

P Kubesたちは、好中球がPTENとよばれる細胞内酵素の働きによってこのような誘導シグナルの優先順位をつけることを明らかにした。細菌のシグナル化合物を感知する表面受容体がPTENを活性化し、これがPIP3からリン酸を取り除くことにより、PTENが主導権を握る。それによって好中球は感染組織へと自身を導いてくれたそれまでの化学シグナルを無視するようになり、今度は標的細菌へと移動する。

今回の知見は、好中球がどのようにして感染部位へと効率よく移動するかの説明に役立つだろう。

doi: 10.1038/ni.1623

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