注目の論文
ダイエットなしでも細身のまま
Nature Neuroscience
2008年8月11日
Staying lean without a diet
Nature Neuroscience(電子版)に、やせていて肥満に抵抗性のあるマウスの系統が報告されている。それにより、食物摂取と体重の調節に重要な神経回路について貴重な手がかりも提示され、肥満と闘う薬剤の開発に有望な標的が示唆されている。
ハーバード大学医学部のB Lowellらは、マウスに遺伝子導入をほどこし、視床下部にある一群の神経細胞が抑制性神経伝達物質GABAの放出能力を特異的に欠失するように操作した。視床下部は、空腹や口渇、体温などの調節過程に重要な脳領域である。このマウスは高脂肪食を与えられたにもかかわらず肥満にならなかった。なおかつ、食欲増進ホルモンの作用にも抵抗性があった。
この研究は、正常なエネルギー収支には視床下部の抑制性神経伝達が必要なことを明らかにしており、また抗肥満薬開発の有望な標的を示唆している。
doi: 10.1038/nn.2167
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