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心臓発作の感受性

Nature Genetics

2009年2月9日

Susceptibility to heart attack

Nature Genetics

心臓発作の素因となる遺伝子多型を報告する5つの研究論文が、Nature Genetics(電子版)に掲載される。これらの遺伝子多型が心臓発作のリスクに与える影響は小さいが、今後研究が進めば、冠動脈疾患の基盤となる機構、特に炎症と脂質が関与する機構に関する生物学的知見が得られるようになると考えられる。

このうち4つの研究では、心臓発作に関する全ゲノム関連解析が行われた。リューベック大学(ドイツ)のJ Erdmannらは、心血管系で高度に発現し、細胞間接着に関与している可能性のある3番染色体上の遺伝子に新たな感受性座位を同定した。

INSERM(フランス、パリ)のD-A Tregouetらは、6番染色体上の3つの遺伝子にまたがる遺伝子クラスターにおける多型と心臓発作の関連性を報告している。この3つの遺伝子の1つには、リポプロテイン(a)の主要タンパク質成分であるアポリポプロテイン(a)がコードされており、リポプロテイン(a)は、冠動脈疾患の既知の危険因子である。また、理化学研究所の田中敏博らは、BRAP遺伝子の1つの多型が心筋梗塞のリスクと関連していることを明らかにしている。この研究では、BRAPタンパク質が、既に田中らが危険因子と同定していた別の2種類のタンパク質と結合することが判明し、BRAPタンパク質が炎症に関与している可能性が生じている。

さらにMyocardial Infarction Genetics Consortium(心筋梗塞遺伝学コンソーシアム)の研究では、3つのリスク座位が新たに同定され、これまでに同定された6つのリスク座位も確認された。そしてdeCODE Genetics社(アイスランド、レイキャビク)のD Gudbjartssonらの研究では、好酸球数に関する全ゲノム関連解析が行われた。好酸球は白血球の一種で、炎症過程に関与している。その結果、5つの遺伝子座位が同定され、そのうちの1つは、6つの異なる集団で、心臓発作との関連性が認められた。

doi: 10.1038/ng.307

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