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栄養の神経科学

Nature Neuroscience

2011年1月31日

The neuroscience of nutrition

Nature Neuroscience

オメガ3(ω3)の不足した食餌を長期間与えられたマウスは、特定の脳領域の可塑性と情動行動に影響を受けることが、Nature Neuroscience(電子版)に報告される。以前の研究で、特に欧米諸国の人々はω3(n-3)不飽和脂肪酸が食事に不足していることが示唆されており、この研究が栄養障害やそれに合併する気分障害に対する研究に知見をもたらす可能性がある。

O ManzoniとS Layeらは、妊娠中にω3欠乏食をとった母親から生まれ、自らもω3欠乏食で育ったマウスは、バランスのとれた食餌で育ったマウスに比べ、不安と抑うつの増大を示すような行動を示すことを発見した。このω3欠乏食で育ったマウスの脳組織の記録から、ある種のシナプス可塑性の不足、すなわち長期抑圧が前辺縁前頭前皮質と側座核という2つの脳領域で明確にみられた。この2領域は、以前に情動行動と気分障害に結びつけられている。著者らは、特定の可塑性が不足する根底には、カンナビノイド受容体1型を経由するシグナル伝達の特異的な欠損があることも見いだした。

doi: 10.1038/nn.2736

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