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【古生物学】四肢が広がった状態で化石になった恐竜

Scientific Reports

2016年11月11日

Palaeontology: A splayed dinosaur

Scientific Reports

オビラプトロサウルス(鳥類に似た羽毛恐竜)の新種Tongtianlong limosusについて説明した論文が、今週掲載される。四肢が横に広がり、首を伸ばし、頭を上に向けた姿勢のTongtianlongの遺骸が化石化して保存されていたというのだ。

この論文で、Junchang Luの研究チームは、Tongtianlongが、中国南部の江西省の貢州地域にある南雄層で発見されたことを報告している。この化石標本は、農民と建設作業員によって集められたものであるため、発掘場所が特定されておらず、この化石の奇妙な姿勢の原因を解釈することは困難だった。Luたちは、この化石に丸屋根のような形の頭蓋と著しい凸状の前上顎骨(頭蓋骨の上顎の先端部分)という独特の形状が見られるため、Tongtianlongが他のオビラプトロサウルス類恐竜とは別種であることを指摘している。

貢州地域では、過去5年間に数多くの恐竜化石が発見されるようになり、この地域の堆積層でオビラプトロサウルス類の6つの分類群が同定されて、白亜紀後期(約7200万年前)という年代決定がなされた。Luたちは、貢州で数多く発見されたオビラプトロサウルス種が、白亜紀末期のアジアでオビラプトロサウルス種の進化的放散が起こり、それが恐竜の絶滅前に立て続けに起こった最後の進化の1つであったことの証明だと考えている。

doi: 10.1038/srep35780

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