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【神経科学】喉の渇きが癒される過程への脳弓下器官ニューロンの関与

Nature

2016年8月4日

Neuroscience: How neurons quench thirst in real time

Nature

喉の渇きを予測的に制御して体液平衡の異常を先制的に制御するニューロン集団が、マウスの脳の脳弓下器官(SFO)において同定された。この新知見は、今週掲載される論文で報告されるが、急いで食べると喉が渇き、喉の渇きが特に冷たい飲み物によって満たされるように感じる理由を説明する上で役立つ可能性がある。

喉の渇きは、血液量や特定物質の血中濃度の変化に対する安定化反応の1つと考えられており、動物は喉が乾くと水を飲んで体液平衡を維持する。しかし、ほとんどの飲水行動は、血中濃度による制御にしてはあまりにも迅速に制御されているため、恒常性のアンバランスが事前に予測されていると考えられるが、その過程は解明されていない。

今回、Zachary Knightたちは、マウスの喉の渇きが予測的に制御される際に脳弓下器官が予想外の役割を果たしており、それが、この恒常性のアンバランスの事前予測の過程を解明する上で役立つ可能性のあることを報告している。また、Knightたちは、脳弓下器官のニューロンが血液を監視するだけでなく、飲食時に口から伝わるシグナル(食料と水の摂取量と温度に関する情報を含む)によって迅速に調節されていることを明らかにした。このフィードバックは血液の組成情報と統合され、現在進行中の食料と水の摂取による将来的な体液平衡の変化をリアルタイムで「予測」できるようになり、飲水行動が調整されるのだ。

doi: 10.1038/nature18950

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